コンスタンチノープル――黒海とエーゲ海とを結び、北部ヨーロッパとアジアを結ぶ世界貿易の要衝。四世紀にコンスタンチヌス帝が「第二のローマ」として遷都して以来、東西のさまざまの文化が重層されて、諸民族の雑多な坩堝(るつぼ)を形成し、典型的な諸神混淆(シンクレティズム)の場となったこの大商都は、ボスポラス海峡を望む風光明媚なペラやペシクタシ丘に豪奢な上流階級の別荘を点々と象嵌する一方で、金角湾沿いのイスタンブール区には、貧困とあらゆる悪徳とを押しひしめかせている、天国と地獄を二つながら抱えた都会だった。
詐欺師の楽園 / 種村季弘 (岩波現代文庫)
Ciragan Palace Kempinski Istanbul (チュラーン・パレス・ケンピンスキー・イスタンブール)は、ボスポラス海峡に望む宮殿「チュラーンパレス(チランパレス)」を改装した格式高いホテル。 (さらに…)