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今泉悠氏インタビュー(1/4)『イケメンサーファーがアイウェアの世界へ飛び込んだ』

ayame i wear design今泉悠氏インタビュー(第一回)
『イケメンサーファーがアイウェアの世界へ飛び込んだ』

今泉悠(いまいずみゆう)、28歳。アイウェア(眼鏡・サングラス)の世界に挑む気鋭のデザイナーだ。今、彼のメガネをまといたいと欲情するファッションピープルが増えている。メガネの紹介をする前に、まずは彼自身を掘り下げてみよう。今泉悠とは、一体どのような男なのか?

 

手先が美しい。これは、会ってすぐの強烈な印象である。こんなにも端麗でたおやかな男の手を見たことがない。

 

1983年茨城県潮来(いたこ)市に生まれる。強く優しい母と二人の妹が主役の、完全なる女系家族だったという。その影響もあってか、高校時代は美容室でアルバイトをはじめ、とにかく将来は「顔をキレイにする仕事」に就こうと漠然と夢見ていた。

 

サーフィンにのめり込んでいた二十歳の頃、カトラー&グロス、オリバーゴールドスミスなどの有名海外ブランドの高級サングラスをこよなく愛していたが、見かけのカッコよさとは裏腹に、大きなストレスを感じていたという。それは、サングラスをかけると鼻や耳、頭が必ず痛くなるというこ とだった。おしゃれ小僧の彼にとって、この悩みは海だけでなく都会にいても常につきまとう、かなり深刻なものであった。

 

おしゃれをするには多少の我慢も必要。―本当にそうなのだろうか?彼は真剣に考え始めた。そして、カッコいいデザインに快適性や機能性が備わったメガネは、海外でもなかなかないこと、無論、日本においては全く存在しないことを知る。他の人間がやっていないこと、そして自分自身の魂が喜ぶことはコレだと確信する瞬間であった。

 

「ヒトがちゃんとモノを見る姿ってカッコいい。だからこそ、一番気合いを入れて、 世の中にない自分だけのブランドを作りたかったんです。」と彼はゆっくりと丁寧に語ってくれた。世界的にも有名なメガネ作りの聖地、福井県鯖江市の職人の元に何度も通 い詰め、5年かけて自分の強い熱意を受け入れてもらうことに成功した。その間、ひたむきな独学と師匠である山岸稔明氏(YELLOWS PLUS)からデザインの基礎を学び、 2010年4月、彼のブランド「ayame」が本格デビューとなった。

 

あやめ(菖蒲)は彼の故郷、潮来市の花。この花が想起させる神秘なる高貴な美し さ、知性と品格をまとった日本ブランドの誕生である。

今泉悠氏インタビュー(第二回)
『日本人を美しく見せるための飽くなき追求』へつづく